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公開日:2019/11/15  最終更新日:2019/10/24

M&Aをおこなうときに必要な書類が知りたい!


M&Aは締結するときだけでなく、交渉を進める段階からさまざまな書類が必要となります。基本的にはアドバイザーや仲介会社に依頼して任せておけば、適切なタイミングで適切な書面を用意して説明をしてもらえるので心配はありません。ただ、それぞれの内容を理解して話を進める必要がありますので、知識は持っておきましょう。

絞り込みの段階で必要になる書類もある

M&Aを検討する段階からさまざまなプロセスがありますが、タイミングごとに書面が登場します。基本的に、条件を交渉したり、お互いの事業内容や規模、置かれている状況を正しく把握するために使われるもので、ほとんどの内容が機密事項にあたります。

アドバイザーを含め、交渉するうえでは信頼関係を確認しておくことが重要ですが、例えその話が実行されなくても締結が必要な場合もあることはあらかじめ理解しておきましょう。また、こうしたやり取りや機密性の高い情報の受け渡しを考えると、対象を闇雲に拡大することにリスクが伴うことも理解できるでしょう。それではまず候補先を絞り込む段階で発生する書面を紹介します。

ロングリスト・ショートリスト
M&Aでは、企業同士のマッチングをはじめる段階で必要となる書面があります。相手企業を選ぶときに業種をしぼるなどの制約がある場合もありますし、売買金額に条件がついたり、実施後の従業員の処遇などを含めたりするケースもあるでしょう。こうした各条件をコンサルタントに伝えたうえで候補を数十社選ぶのが一般的ですが、このリストが「ロングリスト」です。どんな相手が考えられるかという一番初めの段階で、まずはロングリストに目を通し、さらに細かい情報で比較検討をした結果十社程度に絞り込んだものが「ショートリスト」です。最終的にはショートリストから絞り込み、数社のターゲットを決定したうえで交渉段階に進みます。

ノンネームシート・ティーザー
ノンネームシートと呼ばれるのは、匿名で作られた企業概要の書面です。前述のリストからアプローチをおこない提案をしますが、まだ話を持ち掛ける段階なので売却企業の名前は伏せておきます。そのため「ノンネーム」と呼ばれますが、一枚ものなどとも呼ばれ、内容としては業種や売上・利益などのほか、いくらくらいで売却を希望しているかなどが書かれています。ちなみにティーザーというのは売り手を明らかにしない広告(tease)のことで、似ていることから呼ばれる名称です。

具体的な交渉段階で発生する書類を紹介

ノンネームシートを見て交渉に意欲を見せる企業があれば、次は具体的な話を進める段階です。ここからは企業名を始め詳細な情報を明かさないと話が進みませんので、お互いに機密情報のやり取りが発生することになります。それでは交渉段階で必要となる各資料をまとめておきましょう。

秘密保持契約書
売却を希望する企業と、興味を持った企業が相互に情報開示をおこなうための契約を締結します。それが秘密保持契約書です。開示が必要な情報は主に企業の業務内容や財務内容ですのでそれも非常に重要な情報になりますが、それ以前に株式の売却を検討しているということ自体が秘密情報です。

インサイダー取引などを予防するためにも、秘密保持契約書には買収交渉がおこなわれていること自体、第三者に開示漏洩しないことが明示されます。もちろん、開示情報を本来の目的以外に使用しないなど、さまざまな縛りが明記されることになります。

インフォメーション・メモランダム
これは前述の秘密保持契約が締結されたことを前提に提示される資料です。売却企業や事業の詳細が記載された書面で、IMとも呼ばれます。その内容を細かく検討し、候補企業が評価をおこない、実際に話を進めるかどうかを検討します。特にフォーマットはありません。

意向表明書
IMを検討した結果、候補企業が購入の意を表した段階で提出される書面です。LOIとも呼ばれ、購入時の各種希望条件が記載されている具体的な資料です。

具体的な交渉と締結で発生する契約書を紹介

ここまでにもたくさんの書面や資料が発生しますが、ようやくここから具体的な交渉となります。ステップごとに必要なものをまとめておきましょう。

基本合意書はM&Aの交渉をおこなう上で、お互いの同意事項を確認するために作成する書面です。MOUまたはLOIと呼ばれますが、実はこれを締結しても法的拘束力はなく、必須でもありません。締結後に話がなくなることもありますし、それによるペナルティーもないのであらかじめ理解しておきましょう。

デューデリジェンスDDとも言いますが、買収後のリスクを把握するものです。事業・財務・法務・人事などのほか、案件によっては税務や環境、不動産などに関するデューデリジェンスが実施される場合があります。いずれも決算書や定款、商業登記簿謄本などのほか、株主名簿や取締役会の議事録などの書類が必要とされ、この資料の収集が一番大変で膨大な量になります。提出するほうも大変ですが、検討する買い手側の労力も大変な段階です。

売買契約書~最終合意書前述の一番大変な作業が完了し、最終的な交渉で合意できればようやく売買契約書を締結できます。ここに書かれた合意内容には法的拘束力が発生します。条件を詰めるためには数週間~数か月間もかかりますが、最終的には契約当事者の権利義務を規定した最終合意書を締結して完了です。

 

M&A締結には、交渉前の段階から非常にたくさんの書類が発生します。どれひとつ取っても重要なものですので、ひとつひとつ丁寧に内容を把握し、確認することが重要です。何が必要とされるかは基本的にはアドバイザーに任せておけば良いですが、企業内で集めなければならない経営資料もたくさんあります。

決算書や定款、商業登記簿謄本など会社に関する資料は事前にまとめておいたほうが良いですし、株主総会に関する資料なども準備しておきましょう。