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公開日:2019/12/01  最終更新日:2019/11/18

M&Aについて知る!売却価格の算出方法とは?

M&Aには相場価格があります。これを理解したうえで交渉に臨むことで、納得の行く成果を得ることができるようになるでしょう。自分の会社に売値をつけるのですから、オーナーが慎重になるのは至極当然のことです。売却価格の算定にはいくつかの算出方法がありますが、それぞれについて解説します。

会社買収価格の算定方法について紹介

まず買収価格の算定方法ですが、大きく分けて3つの算出方法があります。それがコストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチです。

それではコストアプローチから見ていきましょう。コストアプローチは、現在の企業価値を計算する方法です。具体的には財務諸表から計算する方法で、客観的な視点からその会社の価格を求めることができるのがメリットです。一見公平に見えますが、あくまでも現時点での企業価値でしかないことを留意しなければなりません。

将来的に期待される利益は加味されませんし、今後成長が期待できる状況であれば採用しないほうが得策となります。コストアプローチにも時価純資産法と簿価純資産法という2種類の方法があり、時価純資産法では会社の総資産から負債を差し引いて時価で求めます。

一方簿価純資産法では、貸借対照表上の純資産から算出します。貸借対照表の総資産額から負債額を差し引いて求めます。帳簿に粉飾がないか、負債を隠し持っていないか調べるため、基本合意書締結後にデューデリジェンスで徹底的に調査されるのが一般的です。

次にインカムアプローチですが、こちらは買収先の会社や事業の将来的な利益を加味して買収価格を計算します。難しいのは交渉における将来性に対する価値観のすり合わせで、交渉が難航するケースも少なくありません。基準とする算出法にはDFC法と配当還元法の2つがあり、DFC法がもっとも用いられやすい方法です。

一般的にフリーキャッシュフローをもとに5年後の収益を予想して算出します。一方配当還元法は、株式の配当金から買収価格を算出する方法で、配当金は業績と連動することから将来の収益性が加味されている判断されます。

最後にマーケットアプローチですが、これは市場によって決められたなんらかの基準に基づき価値を算出する方法です。市場株価法と類似会社比準法が代表格ですが、市場株価法は上場されている株価から計算します。類似会社比準法では、業種や規模が類似する上場企業の株価を参照します。非上場企業の際に用いられる計算方法です。

M&Aの譲渡価格には相場がある

重要なのは、譲渡価格には相場があるということです。いかに自社に価値があると主張しても、その時点で相場金額がどれくらいになっているかを理解しない限り、交渉は難航するでしょう。

M&Aの相場は、事業売却や企業買収で金額の目安とされるものであり、これをもとにすり合わせがおこなわれるのが一般的です。相場を知らずに安い価格で売却すれば売り手側の損ですし、相場よりも高い価格で買収したら買い手側の損です。

また、買収側と売却側とで相場価格には多少の相違があることも事実です。当然買い手側は低く見積る傾向にありますし、買収後はその会社の経営者やオーナーになるケースが多いわけですから、トップ交代による業績不振や退職者リスクも考慮する必要があります。

もちろん売り手の相場は高く見積る傾向になり、売却益を期待することになります。とは言っても過大評価しすぎることで高い金額を提示しがちなのも事実であり、現実とはかけ離れた金額提示になるとM&Aの成立は難しいでしょう。そうしたことから、M&A相場にも算出方法があります。

ここでも修正純資産法やDCF法、類似会社比準法などがありますが、使用頻度が高いのは修正純資産法でしょう。修正純資産法は特に中小企業のM&Aで使用されることが多いですが、売却側の財務諸表を参考に、負債を時価評価資産から差し引いて導き出します。

ただ、将来的な価値を含まないため納得できないとする売り手が多いのは事実です。DCF法は大手企業のM&Aでよく使われる方法で、買収後に予想されるキャッシュフローを加味した計算方法です。

こちらは将来的な価値も考慮され、金額に加味されます。類似会社比較準法は、対象会社と同一業種・業界の会社の株価をもとに相場を決定する方法です。売り手の利点は、もし自社の現在の価値が低くても、業界自体の価値が高い場合に金額が高くなることです。

適正価格を導き出すことが交渉の第一歩

会社は譲り渡す側と譲り受ける側とで金額に差異が発生するのはよくあることです。いずれにしても重要なのは適正な譲渡価格を導き出すことですが、これがM&Aを成立させるための交渉のスタートであり最重要課題でもあります。

譲渡価格の算出方法でもっとも多く用いられるのは、譲渡対象の会社の時価純資産と実質営業利益を足す方法です。具体的には貸借対照表の簿価を時価に修正し、純資産から負債を差し引いて求めます。実質営業利益のほうは、営業利益に節税対策額を加えて計算します。この2つを加えたものが譲渡価格の適正価格と言えるでしょう。

 

M&Aにおいてもっとも重要視されるのが譲渡金額です。M&A市場には相場があり、業界の成長度合いなども見極めながら計算されることになりますが、当然売り手側は高く、買い手側は低く見積る傾向にあります。

さまざまな計算法がありますが、大きな考え方の差は、現時点の業績のみで評価するか、将来的な期待値も含めて評価するかでしょう。いずれにしても客観的に見て市場における適正価格が導き出せれば、異なるイメージを持っていてもM&Aは成立しやすくなります。